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[大阪]JAWS FESTA Kansai 2013

ココが大変だよ、エバンジェリストたちの今昔未来談~JAWS Festa Kansai 2013レポート
クラスメソッド株式会社 しんや  去る2013年9月28日、大阪は京セラドームに併設されている9Fスカイホールで「JAWS Festa Kansai 2013」というAmazon Web Services(以下、AWS)に関する一大カンファレンス系イベントが開催されました。  日本国内のAWS・クラウドに関わる企業や人物、またさまざまなコミュニティが大阪京セラドームに結集。参加者総数600名を超える一大イベントがどのように行われていたのか、本稿ではその概要をレポートします。 多種多様なコミュニティが集うお祭りイベント  当イベント、タイトルには「JAWS」(JAWS-UG:Japan AWS User Group)と付いてはいますが、その他にもさまざまなコミュニティが参加をしており、クロスコミュニティカンファレンスの様相をも呈していました。  タイムテーブルを見ると分かりますが、「関西PHP勉強会」「Ruby関西」「WordBench大阪」「HTML5 Caravan」……といった、関西方面の勉強会コミュニティも参加しています。参加者も各コミュニティ主催者も、皆さん新しいコミュニティの世界や空気を感じ取り、また会場の至る所でコミュニティ間の交流も行われていました。  ドーム内の会場ということもあり、形状はご覧のように緩やかなカーブを描いています。また、仕切りもパーティションで区切る程度の緩やかなもの。これらによって会場の一体感が醸成されていたことも、“お祭り”感を盛り上げる上でひと役買っていたのかもしれません。 盛んに行われたアンカンファレンス  当イベントにおいて1つの特色にもなっていたのが、「アンカンファレンス」です。  アンカンファレンスとは講演者の話を聞くセッションの形態とは異なり、参加者自身がテーマを出し合って、そのテーマについて自分たちで話し合い、参加者全員で作り上げるカンファレンスです(※「アンカンファレンス | WordCamp Tokyo 2012」より引用)。  「朝番」(10時30分~13時)、「中番」(14時~16時30分)、「遅番」(16時30分~19時)と3つの時間帯に分けて行われ、1つの時間帯で8つのテーマを事前告知。参加者は興味のあるテーマのテーブルに付き、大いにテーマについて語り合うという形式でした。  1つのテーマでおおよそ4~6人程度といったところでしょうか。どのテーブルでも非常に内容の濃く実りのある、また時には外向けに発表できないような(?)議論が交わされていたようでした。  筆者自身も「朝番」の『地方におけるAWSの現状ついて語ろう』という議論を取材という形で聞かせていただきました。地方ならではの苦労エピソードやあるある話、地方でいかにしてクラウドで戦っていくかなど、トピックは多岐にわたり、地方ならずとも参考になる発言やコメントなどが多数出ており、とても勉強になりました。  最終的には、この過程で生み出された「ICDP」(田舎デザインパターン、本家CDP:クラウドデザインパターンに触発されたもの)がまとめられるなど、1つのコンテンツとしても秀逸なものとなっていました。 国内最強エバンジェリストたちによる特別パネル  個人的にはこのセッションを見るために東京から大阪に遠征して来たといっても過言ではありません。アマゾンデータサービスジャパン、クラウドパック、日本マイクロソフト、電通国際情報サービス、SAPジャパン各社が誇るエバンジェリストが一同に介し、さまざまなテーマについて語り合った90分間は「大阪に来て良かった!」と思えるような充実の内容でした。 左から、モデレータ:常盤木龍治氏(SAPジャパン)、スピーカー:堀内康弘氏(アマゾンデータサービスジャパン)、西脇資哲氏(日本マイクロソフト)、渥美俊英氏(電通国際情報サービス)、後藤和貴氏(クラウドパック) IT業界に入ったきっかけ、エバンジェリストになった経緯  堀内氏は大学に入ってからコンピューターに触れるようになり、研究室で既に起業していた先輩の仕事を手伝う形で報酬を受け取り、世の中が変わる事を実感。前職企業在籍時、参加していたJAWS-UGのイベントでエバンジェリストを探している旨を伝えられ、「エバンジェリストになったら、始めてAWSを触ったときの感動を伝えることができるかな?」と思い、興味を持って転職、そしてエバンジェリストを始めたのだそうです。  また西脇氏は、「お客さまから声の掛かる仕事だから」とコメント。「『ぜひ来てもらって、講演でしゃべってほしい』といわれる職業はそうそうありません。名刺にエバンジェリストと書く以上は、何事においても物事を知っていなくてはならない」と強調しました。 エンジニアとエバンジェリストは何が違う?  こちらのテーマに関しては、常盤木氏が「技術者のバックグラウンドを持つ人がエバンジェリストになることが多いのかな」とコメント。技術者からエバンジェリストに転身したというスピーカーも多く、「エバンジェリストは“テクノロジへの愛”を表現できる職業だ」とその特徴を独特の言い回しで例えていました。 エバンジェリストのココが大変 売るものがアレな時とか……  こちらのテーマは若干答えにくい内容かと思いますが、エバンジェリストの皆さんは真摯に答えていました。西脇氏は「80%まで行っているけど、あと20%が足りない状況の場合、『80%では足りない、だからこそ残りの20%を作り上げて100%を目指すのだ』という説明をし、20%を埋めるための力添えをするのがエバンジェリストの仕事となる」と回答。「さまざまな製品を触り、それぞれの機能や特徴を把握し、違いをお客さまに説明できるようでなくては務まらない職業である」とその過酷さ、大変さを説きました。  後藤氏はAWSに関する勘違い、いわゆる“都市伝説”に困っている部分があり、“都市伝説バスターズ”なるものを結成しようかと考えていたそうです。「AWSは良いものが多いのにもかかわらず、そういった誤解を持たれることが以前は多かった」と語りました。 クラウド・コンピューティングの実態と歴史・これから  渥美氏は、「ようやく、ここ1年くらいで、お客さま目線で本当のクラウドが分かるようになってきた。クラウドが現実解となってきた」と現在におけるクラウドの位置付けを分析。「金融機関などでもAWSが利用し始められている状況を踏まえ、これからもクラウドは加速度を増していくのでは。また、お客さまも『クラウドだと何が良いのか』と尋ねてこられることが多くなった。提案方法・内容や求められる人材も変わって行くだろう」と将来の展望を述べました。 エバンジェリストのこれまでとこれから  堀内氏は「クラウドコンピューティングを知らずに損をしている人はまだまだ多い。そういう人たちにハッピーになってほしい」と真のエバンジェリストを目指すべくさらなる努力を誓いました。  渥美氏は、クラウドによる大きな業界の変化を挙げ、素養を勉強することの必要性を説き、「ITの民主化によって本当に技術やビジネスを分かっている人が強くなっていける」と将来のIT人材像を予想しました。  最後に、常盤木氏は「エバンジェリストは言霊を使える人。言葉を使える。言葉の力を正しく運用できる。未来を呼び込む仕事。より確実な世界・未来を作っていけると思う」とエバンジェリストの可能性について言及し、結びの言葉としました。  時間にして約90分のパネルディスカッションとなりましたが、個人的にはあっという間に時間が過ぎてしまい「え、もう終わり?」という印象でした。「それほど内容が濃く、聴き応えのあるものであったのだなぁ」と振り返ってみて感じた次第です。「やはり、こちらのセッション、参加して正解だった、大阪に来て良かった」としみじみ思いました。 ※なお、こちらのスペシャルパネルディスカッションに関しては筆者が所属するクラスメソッドのブログでより詳細な内容をレポートしております。内容に興味を持った方はご覧いただけると幸いです。 JAWS Festa Kansai 2013 各社最強エバンジェリスト スペシャルパネルディスカッション 詳細レポート #jawsfesta | Developers.IO 懇親会ではCloudFormation vs 人間の対決コーナーも  イベント本編の勢いそのままに、同会場で行われた懇親会にも、およそ200人が参加。冒頭のあいさつ、歓談の時間もそこそこに、お酒が入りながらのLT(ライトニングトーク)が懇親会終了時まで続く形となりました。この日のために用意して来た人、飛び入りで参加した人、当日のイベントまとめをLTとして直前に打診されて間に合わせた人……、その発表のどれもがレベルが高く、また大いに盛り上がるものでした。  中でも一番の盛り上がりを見せていたのが、「CloudFormation vs 人間CloudFormation」。こちらはLTではなく、AWSのサービスの1つ、「CloudFormation」(環境構築テンプレートサービス)を使い、1人はそのサービスを用い、もう1人は同じことを手動で行い、どちらがより速く所定の環境を構築するかという対決コーナーでした。どれだけ盛り上がっていたのかは、以下の動画をご覧いただければ一目瞭然でしょう。 エヴァンジェリストと勝負:人間CloudFormation - JAWS Festa Kansai 2013 懇親会LT - YouTube  懇親会終了後や翌日も(実は前夜祭なども行われていた模様)各所で懇親・交流イベントが催されていた今回のJAWS Festa Kansai 2013。参加者間の盛り上がりを見ていると、イベント的にも大成功だったのではないでしょうか。早くも来年の開催が検討されているようなので、開催の暁にはまた足を運んでみたいと思います。 「イベントカレンダー+ログ」レポート投稿募集中!このレポート記事が掲載されている本サービス「イベントカレンダー+ログ」では、イベント登録者がレポートを投稿できます。新着レポートは一覧に表示され、こちらのRSSにも配信されるので、ぜひご活用ください。