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Google I/O 2013

Android、Chrome、Google+、Mapsは偉大なモノになれるのか~Google I/O 2013基調講演参加レポート
2013/6/28 TIS株式会社 前出祐吾  5月15~17日の3日間、サンフランシスコのモスコーニセンターで開催されたGoogle I/O 2013。本稿では、3時間に渡った初日の基調講演の模様をレポートする。 ようこそ、Google I/Oへ  カウントダウンから始まり、最初に登壇したのはグーグルのSenior Vice PresidentであるVic Gundotra氏。  「Good morning and hello and on behalf of Google!」(Gundotra氏)  会場には6000人、90カ国440拠点から1万4000人以上が参加し、100万人を超える人たちがYouTubeを見ているという。これら、すべての人への歓迎の意として、Gundotra氏は「Google I/Oは今年で6回目を迎えた。皆さまのサポートや熱意、アプリケーション開発に深く感謝し、グーグルと信頼関係を築き続けることを望んでいる」と伝えた。  続いて、Sundar Pichai氏が登壇。「われわれはコンピューティングにおいて最も重要な瞬間の1つに直面している」とし、コンピューティングの変遷を語りつつ、「この重要な瞬間にグーグルはAndroidとChromeという2つのプラットフォームを持っている」とアピールした。 AndroidとGoogle Play Services  Androidは2011年には1億ユーザー、2012年には4億、2013年には9億ユーザーへと急速に普及したという。Hugo Barra氏はAndroidアプリ開発の状況について「Google Playは48億インストールを超え、毎月2億5千万インストールされている」と話した。  Barra氏はデバイスについても言及。Samsung Galaxy S4をアンロックでAndroid 4.2を搭載し販売する。ブートローダもロックなしで6月26日より649ドルで販売が開始されるという。 Android Studio  Google I/Oでは「Android Studio」と呼ばれる新しい開発ツールが発表された。  Android Studioは「Eclipseに代わる統合開発環境」として紹介され、JetBrains社の「IntelliJ IDEA」がベースとなっている。これまでより高速に、生産的に作業ができるとのこと。さまざまな画面サイズのプレビューを見ることができるというデモにより、大きな拍手を浴びた。 Google Play Services  Google Play Servicesについて以下のサービスが紹介された。 Google Map Android API v 2.0 Location API Google+ Sign-in Google Cloud Messaging Game Services  ロケーションAPIは次の3つ機能となっている。 Fused Location Provider高速、かつ、精密に現在地を特定 Geofencingある特定の地域ヘ入ったことを認識 Activity Recognitionセンサにより運転中なのか、徒歩なのか、自転車で移動しているのかを判定  Google Cloud Messaging APIも強化され、サーバとAndroid間の持続的な接続、アップストリームメッセージング、通知の同期をサポートする。 Google Play Game Service  Google Play Game Serviceはゲーム用の新しいAPIで、「Cloud Save」「Achevements」「Leaderboards」「Multiplayer」がある。「Cloud Save」はクラウド上にデータを保存し、デバイス間でデータを共有したり、同期プレイができるというもの。3人のプレイヤーによるデモが行れ、一部会場のWi-Fi環境の問題によりうまく動かないところもあったが、聴講者たちは楽しんでいたようだ。  Google+のアカウント同士がつながり、「Leaderboards」を構築することもできる。また、これらのAPIはAndroidだけではなく、iOSでも使うことができるという。 Google Play Developer Console  さらにEllie Powers氏が登場し、Google Play Developer Consoleに追加した、下の5つの新機能を紹介した。 Optimization Tips:最適化のためのTips App Transaiation Service:アプリ翻訳サービス Usage Metrics & Referral Tracking:使用状況のマトリクスとトラッキング照会 Revenue Graphs:収益グラフ Beta Testing & Staged Rollouts:公開前のβテスト Google Play  ここで、Chris Yerga氏が登壇。あいさつの最後の「コンバンハトーキョー」という言葉で、日本で聴講していた人は盛り上がっていたのではないだろうか。  また、Yerga氏はパーソナライズされたGoogle Playストアを示し、480億のアプリがインストールされていることを話した。  Google Playストアのデザインがタブレット向けレイアウトを備えたアプリを区別して表示できるようになったこと、ユーザーとデバイスに応じたパーソナライズオススメ機能が搭載されたことも紹介された。 Google Play for Education  また、Google Appsは教育分野にも幅広く導入されているということで、Yerga氏は「教育において何が可能かと何が実用的かということの間に大きなギャップがある。それを解決するのがグーグルの仕事だ」と語った。  教育向けの新イニシアティブ「Google Play for Education」は、アプリを選び注文すると、タブレットを持っている園児が500人いたとしても、全員に瞬時に取り込まれる。教育ソフトウェアを実行して学校に安価なAndroidタブレットを提供するための新しいプログラムも発表している。 Google Play Music All Access  Google Play Musicについては、「All Access」というストリーミング音楽サービスを発表。「All Access」にはRecommendedタブが用意され、すぐにユーザーの好みに合わせたお勧め音楽を聴くことができるという。Yerga氏は、これを「ルールのないラジオ」と呼んだ。  また、ライブラリには自分が所有する音楽に加え、アクセスの中で見つけたものを含む自分専用のラジオ局を作成してくれるとのこと。Android・タブレット・Web上で動作し、価格は月額9.99ドルで米国でのみ利用できる。 Google ChromeとWeb  ここで、Pichai氏が再び登壇。Chromeは過去12カ月で3億アクティブユーザーが増加し、現在では7億5000万ユーザーに至るとのこと。  Android版Chromeにもデスクトップでおなじみの機能を搭載。ブラウザの先進機能としてJavaScriptの実行速度、WebPのサポートなどがあることをアピールした。  Linus Upson氏はChromeの速度とパフォーマンス向上に加え、ユーザーの使いやすさを向上させた機能について言及。携帯電話でショッピングする際に平均的なプロセスでは約21のステップを踏む必要があり、放棄率が97%に及ぶことを主張した。  それが、以下のわずか3ステップになるという。 Checkout button:レジへ向かう Review billing and shipping:審査請求と出荷 Submit:確定  続いてWebComponentsについて次のように述べた。「Web Componentsにより開発者が独自のHTMLタグを作成し、さまざまなデバイスで同じコンポーネントを利用でき、より生産的でユーザーにとって快適なアプリケーションを作ることができる」(Upson氏)  さらにUpson氏は、「われわれは、すべてのform要素、すべてのデバイス間で動作するエレガントなUIフレームワークが欲しい」と述べ、実験アプリ「Racer」のデモを行った。  iOSを含んだフォーム要素の異なるデバイスをWebSocketで同期を取り、並べた画面を横断して同期を取るゲームである。  ここで、Webの誕生から現在までを振り返る動画が流れた後、再びPichai氏が登壇。Google I/O参加者全員に「Chromebook Pixel」を贈ることを発表し、会場の盛り上がりは最高潮に。Pichai氏は「講演の途中で離席しないように!」と注意を促した。 Google+  Google+の新機能については、「ストリーム」「ハングアウト」「フォト」を中心に41の新機能について説明があった。  「ストリーム」はUIデザインを変更。マルチカラムデザインや「終わらない新聞」のようなスクロール機能である。写真をクリックすると同じハッシュタグの写真を見ることもできる。  「ハングアウト」は、テキスト・写真・動画をマルチプラットフォームで統合して扱えるようになるとのこと。  「フォト」については、写真家のように「どの効果を適用するか」を自動判別し、すべての写真に適用するという「Auto Awesome」機能が発表された。また、フルサイズの画像用に15Gbytesのストレージ、標準的な解像度の画像用に無制限のストレージを与えるという。 「検索」の終わり  ここでAmit Singhal氏が登壇し、Googleの「検索」について話した。「子供のころ、コンピュータと話すことができ、全てに答えてくれる『スター・トレック』に夢中になった。いつか、このコンピュータを作ることを夢見ていた」(Singhal氏)  グーグルは、この夢に向けて大きな進歩といえる3つの体験を実現しているという。「答え(Answer)」「会話(Converse)」「予期(Anticipate)」である。  会話型サーチは、検索キーワードをタイプする代わりに音声で入力すると、自然言語を解析しユーザーが何が知りたいのかを探し、音声で回答する。iOSやAndroidに加え、Chromeを通じてPCでも提供される。続いて、Johanna Wright氏によりGoogle Nowのデモが行われた。 Googleマップ  ここで、Brian McClendon氏が登壇し、Googleマップの話に移る。McClendon氏は、まず「Googleマップは北朝鮮をカバーし、全世界で200カ国をカバーすることになった」と語った。  ストリートビューは50カ国、山や海底、建造物の内側にも及ぶ。複数のビューからのデータを組み合わせることでGoogleマップ上の3D建造物を構築できるという。  Daniel Graf氏が登壇し、2012年の12月にiPhone用のGoogleマップを立ち上げたと話す。「滑らかで、シンプルで、美しく、そして『正確』であることを忘れないように」というところで会場は苦笑が起こっていた。  さらにGraf氏は、Googleマップの新機能について語る。5つの「星」でレストランを評価し検索でき、お店からのオファーを保存でき、例えばスターバックスのクーポンを取得して残しておくことができるという。経路とナビゲーション機能は公共交通機関と自動車の場合など、異なるルートを並べて表示し、途中から切り替えることも可能になる。  次世代モバイルGoogleマップのアプリはAndroid、iOS、タブレット対応で、新しいインターフェイスで今夏リリース予定だ。  続いて、Bernhard Seefeld氏とJonah Jones氏による新Googleマップのデモが行われた。  3Dビューがマップにも組み込まれており、「ブラウザ上のGoogle Earth」といえる。画面の一番下にはユーザーがアップロードした写真を見ることができる。ユーザーは内部の写真もアップロードでき、360度の景色を一緒につなぐことができる。  モスコーニセンターから地球全体へズームアウト、宇宙の中の地球の位置を見ることができ、さらにズームアウトすると、太陽や銀河などの天体も表示された。 創業者Larry Page氏  最後に登壇したのは創業者のLarry Page氏だ。Page氏は、これまでの登壇者とは打って変わって、ほそぼそとした声で話し出す。声帯の病気のためだと思われるが、これまでの講演と打って変わり会場も静まり返り、聴講者全員がPage氏の話に聞き入っていた。  父親から学んだというPage氏の幼少期の話から始まり、次のようなことを述べた。「われわれは途方もないチャンスを持っている。グーグルについての記事は、どれも他の会社と比較するばかげた内容で、興味を引くものが全く見当たらない。われわれは、まだ存在しない偉大なモノを作り出すべきである。ネガティブはわれわれが進歩する方法ではない、最も重要なのはゼロ・サムではい。目の前にたくさんの機会がある」(Page氏)  そしてPage氏は、最後に聴講者からの質問に丁寧に答えていた。 関連記事 Google Glassアプリ「Glassware」を開発するための基礎知識~Google I/O 2013まとめレポート Google Cloud Platformは後発から巻き返せるのか~Google I/O 2013まとめレポート 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